12/29

休み。低調である。食材を買いにスーパーへ足を運ぶと、正月商品がずらりと並んでおり、ああ、やっぱり年末なのかと思った。地元産の知らない名前の葉野菜(味は青臭く微妙だった)と鶏の唐揚げとタラの切り身を買った。すべて半額品である。タラを使って鍋にしようと切り身をトレイから開け鍋に入れ火をかけるも、身が臭すぎてとても食えたものじゃなかったので全部捨てた。捨てた身はビニール袋に入れ口を縛り鍋を洗い換気扇を回したが悪臭はなかなか退かず、咎めのようだった。

12/28

夜勤明け。14時にN川さんから電話が入った。どうせ納会のことだろうと思い無視した。次に目覚めると17時だった。起き抜けなのに、胸が空くあの感覚がした。気分が悪かった。会社に属する人間でありながら自ら社会を拒絶して見せる態度に、何か心が揺らいでいるとでも言うのか。それとも、こうしてまたあの人と会うことを避けている態度に?でも、これは自分の内側から来るものではないと、いつもそう誰かが囁く。

カーテンを開ける。薄暗い光が部屋を覆い、沈んだ気分と同化していくようだ。鏡を見ると、左目があまり開いていない。右目に比べちょうど半分ほどだ。基本的に雌雄眼だが、疲れがたまっている時はこうなるので、ある種バロメータになっている。

あの人は今ごろ納会の最中だろう。自分がいないことを気に病んで欲しくない。笑って過ぎてくれればいい。

寂しい。寂しいのかもしれない。これを書いている今もきっと。明日も、明後日も、きっと。

12/27-

12時前にK竹さんからメールが入り一度目を覚ます。昨日夜勤で入っていたE口さんがインフルエンザにかかったとのことで、くそどうでもいい内容だった。

15時起床。夜勤。明日28日は本社と出向先でそれぞれ納会があるのだが、「H谷くんはどうするの」と聞かれたので「予定があるので出ませんよ」と答えた。N川さんとK田さんは本社の納会に、K島さんとK竹さんは出向先の納会にそれぞれ参加するとのことだった。また、年明け後の1月20日の新年会についても問われたが、ちょうどこちらの予定が連休中だったので、実家に帰るので出れないと断った。

相変わらず夜勤は忙しく、メールは少なかったが電話の数が多かった。次の日は平日なので残件があってはならないはずだが(メール処理できる席が埋まってしまうため)、K島さんは今日も全然終わらないと漏らしており、結局朝の引き継ぎ時には残件は山積みであった。出勤後それを知ったK竹さんは「どういうつもりなの、俺に残ったメール処理やらせるつもりなのかよ」と始まり、「K島君夜勤の時は俺昼間にできるだけメール処理してやってんのにそれでも終わんないってなんなの?○○は終わった?終わったー、■■は?終わってないー、依頼メールは?12件残ってるー、□□は?終わってない?□□とかこんなの昼間にやってたらまたクレームになるじゃん、どうするつもりなの?どう責任取るつもり?」とネチネチ言い始めたので、あーあー、と思いながら自分は自分で席を空けた。K島さんは電話席(電話を受ける席は平日日中でも1席だけ余裕がある)でやれるかぎりのことをやってから帰るとのことだったので、こちらは10時前に先に引き上げた。

帰宅後、くつろいでいるとK島さんからメールが入った。「お疲れ様です。納会両方とも参加しないんだったら年の瀬のメールだけでも入れときな。」とあり、出向先の上司陣のメアドは知らないし一応今日帰るときに年末の挨拶は済ませていたので恐らく本社の上司(あの人とO手さん)のことを指していると思われるが、そんな気には到底なれなかったので無視した。

 

12/26

12/24の日記に「WAVE」と記していたが、正しくは「WAV」だった。電車の中で読み直していて気付いたのだが、その時は笑った。昔だったら考えられないミスだが、それだけ音楽中心の生活から離れてしまったということだろう。

6時起床。日勤。月曜だったので午前中は電話ラッシュが半端なかった。こちらが作業員にコールをかけ始めたタイミングで客先からの電話があふれた際、K竹さんに「H谷君電話出てよ」と怒り顔で指摘された。どう考えても今のタイミングで電話を受けるのは不可能だったが、作業員との通話を終えると「すみませんと」謝りながら、時間制限の厳しい客先からの新規案件を他部門の担当と相談するべく席を立った。理不尽な指摘にイライラしたが、まあこれほど忙しいと誰かのせいにしたくもなるわな、と横目に映るK竹さんをみながら思った。

昼休憩の際、タイミングをみてK竹さんの隣につき「さっきは電話でれなくてすみませんでした」と再度謝った。「あー、全然いいよー」とK竹さんは言った。

K島さんは依頼案件が山ほど残っていたので早々に帰れるわけもなく、K竹さんと自分は19時前に先に引き上げた。帰る前に屋外の喫煙所でK竹さんと少し話した。自分は参加しなかった23日の忘年会がなかなか壮絶だったようで、50名ほど参加していたにも関わらず2次会のセッティングを誰もしておらず、1次会の途中でそれを知ったK竹さんが急遽2次会の場所を抑えて幹事として取り仕切ったとか、まあとにかく話しぶりからして大変そうだった。

 

12/25

休み。胸が締め付けられるような感覚に襲われることはここ数日でめっきり減ったが、かわりに気分がずっと晴れない。低調が続いている。

潜水服は蝶の夢を見る」を観る。面白かった。ちょっと間延びしてたけど良いカットが多かった。何もできない状態でも、夢を見ることはできる。ジャンはある方法で言葉を伝えることができた。もし、それさえ難しかったら、と考える。生きることと死ぬこと。選択肢の数が違うだけで、みんな同じなのかもしれない。

12/24

休み。テレビを置いている棚下の引き出しをなんとなく開けると、実家から持ってきた数少ないCDやらDVDやらが目に付いたので、「星になった少年」のサントラを聴き、「ブローバック・マウンテン」と「マグダレンの祈り」のDVDを観た。

WAVE音源を久しぶりに聴いたが、やはりMP3とは違うなと思った。要はWAVEだと低音の鳴りが違うなっていうあたりまえの話。ファストフードのような洋楽ポップスはMP3で構わないが、オケはWAVEで聴くべきかなと感じた。あと坂本龍一はオケがうまいとあらためて思った。

DVDは2枚とも再見になるが、「ブローバック・マウンテン」はやはりすごく良く、ちょっと泣いた。「マグダレンの祈り」は今見るとそんなでもなかった。

12/22,12/23

気分の上下が激しい。何を書けばいいのかよくわからない。

誰のための日記なのか。僕だけがわかればいいはずだ。僕のわかる文字で書けばいいはずだ。

 

14時起床。早く目が覚めてしまった。退屈であり憂鬱であり、神経が逆立ち、しなびれる。ガムを噛むように飯を食べ、身を整える。労働の時間が今日もやってきた。

通勤はいつも長い。長すぎるからもっと長くしてくれと思う。眠るにも、起きているにも半端だ。

僕の想いが流れて落ちるべき場所をくれ。僕は早く干からびてしまいたい。乾いてしまいたい。

相変わらず労働は手錠の様で首輪の様で嫌になる。飼い主はここにいる全員だ。K島は仕事が遅いのではやく帰るのに気が引ける。今日もたぶん昼過ぎまで残ったんだろう。俺は俺の仕事をすべて終わらせたし、少しは手伝ってやったんだ、誰も咎めはしない。相対主義的なところは似ていると思うが、あいつは頑固だ。蓋を開けると石みたいだ。俺は他力に頼る。何が何でも。

家に着いたのは13時過ぎだった。