12/15

休み。何をしたかな。

ご飯を作って、食べて、筋トレして、シャワーを浴びて、コーヒーを飲んで、本を読んで、音楽に浸って、歌を歌って、洗濯ものを干して、取り込んで、あの人は今何をしているだろうと、想いに耽ったりして。一日中ごろごろしていた。

光か、もしくは影が目の端をかすめることがよくある。そちらを向くと姿はない。誰かの思惟が飛んでいるようにも思える。空も、壁も、ぼうっと眺めていると、色見を帯び始める。お前は誰だい。

12/14

この世から消えてなくなりたい。そういう気分の上下が、日記を綴ろうとする動機と比例した線を描いている。

休み。24H以上起きていたのだから本来しっかりと眠らなければつり合いが取れないはずが、そういう時に限って深い眠りは遠く遠く、煩わしい。

日記を読み返してみる。まだ3週間ほどの継続だけれど、どうやら自身の事後の記憶媒体として確かに機能しているらしいという実感に、面白いなと思った。他人のブログを読んでいても決して得られない趣がある。

「囀りとつまずき」を読む。読んでいるうちに以前の所感とはまた別の側面が露になってきた。感想は読後に書くことにしよう。なんせまだ1/4も読めていない。

soundcloudで最高に美しい曲を見つけたので貼っておく。この手の曲で心動かされたのは久しぶりだ。ノスタルジーだけではない、カタルシスまで丁寧に表現されている、終末の音楽。

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12/12,12/13

昨日(12/11)の日記に書き忘れていた事が一つある。変形労働時間制の導入についての説明を、本社にて13日の昼に行うことが決まったのだった。出席に際してあの人に会わなければならないのは明白なので、最悪だと思った。

夢をみた。閑散としているが非常によく整備されている雑木林のようなところで、バッタを捕まえる夢だった。地面は一面黄金色ともいえる、鮮明な黄色をしたカエデに似た落ち葉でおおわれており、空は澄んでいた。とても気持ちの良いすがすがしい場所だった。捕まえたバッタはどれも力強い構えをしており立派で、誰かに自慢したいと思った。良いイメージの夢はほとんど見ることがなく久しぶりだったので、なぜこのタイミングで、と思った。

15時起床。夜勤。新規はそれほど多くはなかったが、外線が半端なく鳴っていた。Y中さんも今日は電話多いなあ、と漏らしていた。0時すぎて電話は落ち着いたが、その時点でK島さんの業務が終わらないことは確定していた。こちらも8時頃にようやく通常業務に片がついた有様で、少しも休めなかった。K島さんは残件引き継ぎ後、できる限り手伝ってから本社に向かうとのことだったので、こちらは先に引き上げた。

帰路の途中、K島さんから電話があった。自分が受けた案件で、履歴の書き漏れがあってのことだった。客からの問い合わせの電話をE口さんが受け判明したとのことで、すみませんでしたと謝ると、「うん、これ、大問題だからね」といつになく凄んだ声で話すので、そうかよ馬鹿がと心の中で舌打ちした。履歴の書き漏れなんてものは今まで山ほど見てきたし、K島さんはその中でも多い、みんなやっているミスだ。指摘に対して実感がわかないのは、自分の持てる力を出し切っているという自覚があるからだろう。

いったん帰宅したところで1時間ほど時間に余裕があったので、飯を食べコーヒーを飲み、それから本社に向かった。

最寄りの駅から歩いて20分弱、到着までの道のりは憂鬱だった。懐かしさばかりがやかましかった。

本社に着くと、社長から久しぶりだねえと声をかけられた。あの人はこちらを見ようとはしなかった。顔つきからは何かを堰き止めんとしているように見えた。途中、N川さんの社員登用についてN川さんとあの人が会議室に入り、話を詰めていた。漏れてくる声からは、N川さんを請負責任者にする旨の話があり、これでいい、と思った。自分をリーダーにするという発言は、あの人の中で撤回されたのだと思った。N川さんに語りかけるあの人の声色は、とても優しかった。

変形労働時間制の説明は、K島さんの到着が遅れ予定時刻より1時間押しでの始まりだった。同列にN川さん、K島さん、K田さん、自分の順で座り、対面にK野さんとあの人が座った。あの人は終始自分には少し背を向ける形で話を進めていき、最後まで一切こちらを見ようとはしなかった。N川さん、K島さん、K田さんと目線を移すことはあっても、こちらとは焦点があわない。そこに壁があるかのような、まるで透明人間にでもなったかのような時間だった。目をまんまるとさせ話すさまは、やはり何かを堰き止めんとしているように見えた。そうしたあの人の態度に、ああ、やはりだめか、と思った。普通でいい、普通に扱ってくれればいい、そんなことも難しいのか。まだ僕の愛に傷ついているのか。愛される事が怖いのか。

家に着いたのは17時過だった。長い一日だった。

12/11

他人の名前を記すときに敬称を省いていたが、今日からは記していこうと思う。

日勤。日曜だったので久しぶりに私服で出勤した。午後は割と落ち着いていたと思う。K島さんはいつもどおり薄っすら黄ばんだ灰色のダウンジャケットを着てきており、今日も皆から服変えろよ汚ねえなと突っ込まれていた。引き継ぎ後、E口さんが自分が調整した案件について作業員から結果報告を受けたのだが、その際こちらの履歴の作り方に対して指摘があった。面と向かって馬鹿にされたのでなかなかイラっとしたが、笑ってごまかした。

電車での移動中に「囀りとつまずき」を少しだけ読む。はじめは独特の文体だな、と思ったが、読み進めていくとすぐにそういう思いはなくなった。一つ一つの出来事(というよりは事象そのもの)を鋏で切り取り、貼り付けたような文が連なっている。私を認識する私として、事柄が描かれている、それを達成するための文体なんだと思う。普通なら生活の中で置き去りにされ埋もれてしまうであろう微細な事象が、分別され、切り取られることによって、新たな認識が生まれる。名前がつく。この本にはそういう類の喜びがある。

12/10

休み。けだるさは、シャワーがスッキリ洗い流してくれた。体全体を刺激したことが良かったのだろう。

サルトル「嘔吐」を読む。少し退屈になってきた。

脳が正しく働いていない。あの人のことばかり考えてしまう。

人喰いの大鷲トリコのプレイ動画を最後まで見る。なんてことのない話だが、それが良いんだろう。ゲームという枠組みの中ではじめて心地よく響く、ちょうど良い深度のストーリー。

San Holo - Light 最近よく聞いている。

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12/8,12/9

休み。何時に寝て何時に起きたかは覚えていない。眠たくなったら寝る、目が覚めたら起きる、の繰り返し。

「史上最強の哲学入門書 西洋の哲人たち」を読む。これは、面白いと思った。よくできている。哲学入門書としてはとても良い本だと思った。ニーチェの記事を読み、やっぱりニーチェは苦手だなと思った。ツァラトゥストラを読んだ時もそうだが、嫌悪感すら覚えた。要は超人思想が苦手という話だ。ニーチェの言う末人のような自分の生だが、それで良い。無為にして為さざるは無し。生きているだけで様々なことは起こる。命など本来ささやかなものじゃないのか。

12/7-

夜勤。1つミスがあった。A木とY中が声を荒げた。N川が「○○の場合は■■に10分以内に連絡するって書いてあったじゃん」と、こちらが仕事している中隣に割り込んできて言った。はい、気を付けますと受けながら、電話に出るのもPCに打ち込むのも止められる状況ではないので淡々と仕事を続けた。右手が当たる、邪魔だ、鬱陶しいと思った。

0時まわるまでは電話がよく鳴っていたが、それから朝までは静かなものだった。K島はメール処理が結局終わらなかったようだ。引き継ぎ後、過去案件見直しを手伝ってから帰るとK島が言うので、一緒に手伝った。9時半を回ったところでもう帰りましょうよと煽り、切り上げさせた。K島は飯も食べていなかった。正直、馬鹿じゃないのかと思った。夜勤の残件を日勤に預けてしまったとはいえ、この場合問題があるのは大量の仕事を彼に押し付けている上だろう。それも自衛の策だというのか。