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3時起床。3時間しか寝ていないが、このままもう一度眠れそうにもないので、起きることにした。

こうの史代 この世界の片隅に」を読む。とても面白く、最後まで読み切ってしまった。

すごく面白い。こうの史代は天才だ。これは映画も絶対に見なければ。描かれているのは、戦時中の何気ない生活と、少々の物語で、当時の庶民の生活の実とどれほどの差があるのかはわからないが、そうだよなあ、これが生活だよなあ、と深く頷かされるような、独特のリアリティがある。

一時間ほど仮眠をとり、12時ごろ父と母と3人で「オンワード樫山 名古屋支店」へ向かう。ブランド服を取り扱う会社のようで、今日は社員販売をやっており、母の知り合い(親戚?)に社員さんがいるらしく、たまたま社員販売用のチケットが手に入ったので、そこでコートを買おうぜ、という母の判断だ。ビルは会社でよくあるテナント構造になっていて、たしか2~9階全部に服屋が入っており、一応エレベーターもあるが、基本的に非常階段での上り下りで目的のフロアへ移動するような形になっていた。客層は若い人たちがあまりいなくて、また、洒落た人はもっといなかった。みんな親戚に金持ちがいそうな年のいった人たちばかりで、なんだか不思議な光景だった。あと、店員の接客も、適当な者が多く、日曜出勤だるいな、といった意識が透けて見えまくりの、雑な感じで、それもなんだか不思議な気分にさせられた。気に入ったコートが定価56000円の3割引き売られており、何度も試着した末、そいつに決めた。2万ぐらいのもので済ませようと思っていたのだが思っていたより高くついたので、やっぱり旅費第は自分で出すから、と言った。27にもなってまだ服を親に買ってもらっている自分が、少し恥ずかしくなった。

帰りにオアシスと呼ばれているでかめのPAで買い物をした。鮮魚がすごく安かった。50cmほどのセイゴが680円で売られていた。別のコーナーには30cm弱のキンメダイが一尾380円で売られており、隣の立て札には「タイムセール 今なら半額」とあったので、母にせがんでキンメを2尾買ってもらった。赤魚2尾で380円。くっそ安い。ありえん値段だ。

家についてからキンメをさばいた。腹を開けると魚独特の臓物のにおいがしてきて、懐かしいなと思った。うろこは普通で、落としづらいこともなかったが、身が柔く、うろこの処理の際に2尾とも腹が破れた。目玉の表面はトュルトュルで、うわあなんだかゼリーみたい、と思った。さばいた後は、母が煮つけにした。

18時に刈谷駅でY也と会う。Y也が調べていた居酒屋は閉まっていたので、結局魚民にした。魚民の料理はやっぱりおいしかった。Y也はこちらのことをテンション低くない?と何度も言っていた。よくわからなかったが、きっとテンション低いように見えていたのだろう。最近は風俗とかには行っていないが、合コンには時々行くと言っていた。だが、別段それでおいしい思いもしていないようだった。最近会社の上司から期待されているような言葉をかけられたらしく、最近入社当初の頃よりは仕事のやる気がでないらしいY也は、「あ、はい」ぐらいにしか思わなかったそうだ。だが、語っているその口ぶりにはそれでも喜々としているように見え、おお、よかったじゃん、頑張りなよ、と適当に受けた。

それはこちらがあきらめた道だ。